特集

林野高校 MDP(マイ・ドリーム・プロジェクト)

むかし倉敷ふれあい祭り 9月29日(土)開催

林野高校の生徒たちがマイ・ドリーム・プロジェクト(MDP)の成果を発表する場として、 また、生徒たちが地域の人たちと触れ合い、協働する場として、 昨年から実施している「むかし倉敷ふれあい祭り」が、九月二十九日(土)、林野商店街で開催されます。

昨年、林野高校の生徒たちが中心となって企画し、地域の人たちとともに林野商店街を舞台に開催した 「第一回むかし倉敷ふれあい祭り」は、林野地区だけでなく近隣からも多くの来場者を迎えて賑わいました。
今年も前回と同様にMDP各グループの研究・活動成果の発表や地域の特産品を使った 「食のテント」の出店などが計画されています。
このイベントの基礎となっているのが、林野高校が独自の取り組みとして実施している マイ・ドリーム・プロジェクト(MDP)です。
生徒たちがそれぞれの興味や関心に応じて、活動テーマによって分類されたグループに所属し、 地域の課題解決に向けた調査研究や活動を行うこの取り組みが目指すところはどこか、 ふれあい祭り開催を機会に取材しました。

「むかし倉敷ふれあい祭り」は、生徒実行委員会と学校、そして地元町内会たちで構成する合同実行委員会で運営されており、 MDP各グループや生徒実行委員会が企画・立案したイベントや展示の提案に基づいて合同実行委員会が 内容を検討し、協力して実現させていくという、まさに地域との協働によって実施されているイベントです。
生徒実行委員会会長の人見 遵さんにお話を伺いました。

今回は昨年のふれあい祭りよりも、より多く地域の方々の参加や地区外からの来場者を迎えることのできる 祭りにしたいと考えていて、そのためにまず自分たちが楽しむことを念頭に置いています。
自分たちが地域の方々と一緒に楽しみながら祭りを作り上げていくことで、 祭りをより楽しいものにしていけると思います。

昨年と同様に実施するイベントなども多いですが、それに加えて、うらじゃのチームの参加を得て、 通りを踊りながら練り歩いてもらったり、林野地区のだんじりを展示するなど、 より多くの人たちに楽しんでもらえる企画を準備しています。

文化祭と重複するのではないかという感想を持たれる方もありますが、 生徒の側としては、文化祭はクラスや部活動が中心となるものであって、 ふれあい祭りはまったく違う枠組みで開催されるイベントだと認識しています。
特に、ふれあい祭りは学校の外で行なう活動なので、文化祭では得られないような、 本当に一般の地域の方々との関わり合いが経験できますから、そういう面で大きな差があります。
将来的には、地域の誰もが知っているイベントになってほしいと思っています。

今回は前回の反省を踏まえて、イベント性の強い催しを準備しましたし、 広報の取り組み方も、時期を早めたり範囲を見直すなど、改善をはかりました。
また、今年はなるべく早い時期から準備に取りかかり、合同実行委員会会議の回数や内容も見直しています。
早い時点で企画の説明も行なえていますし、地域の方々も昨年の経験があるので、 自分たち生徒ができない部分は地域の方々がやってくださったり、 改善点を提案してくださったりと、協力体制ができてきていると感じています。

学校からの開催のお知らせ

林野高校MDP(マイ・ドリーム・プロジェクト)活動とは?

むかし倉敷ふれあい祭りのベースとなっているのが、林野高校が独自の取り組みとして実施している マイ・ドリーム・プロジェクト(MDP)活動ですが、具体的にどのような活動を行なっているのか、担当の森田先生に伺いました。

マイ・ドリーム・プロジェクト(MDP)の取り組みが始まったのは平成十一年です。当初はキャリア教育の推進を目的として、 その基礎的な部分である進路や職業について調べる活動を学校独自の取り組みとして始まりました。

その後、平成15年に総合的な学習の時間をMDPと銘打って取り組みを始めたのが最初の大きな転機となりました。
このときも主眼はキャリア教育にあり、グループに分かれて職業調べなどを行っていましたが、 平成21年度に文部科学省の研究指定を受けたのが次の転機となりました。

職業だけでなく、グループを生徒の具体的な興味や関心で選べるように名称の変更も含めて分類し直し、 それまで二十数グループあったものを、段階的に現行の十グループに編成し直しました。
今年度からはさらに変更を加え、三年後の状態を中期目標として設定し、 年次的に取り組み・活動の内容を設定するようにしました。
年度末には進捗状況と目標との擦り合わせを行なって、次年度の課題設定と取り組みの方針を決定し、 新入生はグループの活動内容と、こうした課題や取り組み方針を含めて検討し、所属するグループを選択するようになります。
これまでの方法では一年経過するとまた新年度に新たな取り組みが始まるので、 前年度の成果や課題を継続して行く事が出来ませんでしたが、この方式により、 新入生も課題や成果を把握している上級生とその内容を共有しながら活動を行なうことが出来ますから、 全体的にレベルアップを図って行くことが可能になります。

また、十年スパンの目標として「ふるさと創造 林高隊」というテーマも掲げています。 この長期的な目標に向けて三年スパンの中期目標を掲げて取り組みを続け、 達成度をあげていくことを目指そうとしているところです。
そのために現在はまず三年後に自分たちが持っているものを発信できる力をつけようとしています。
まず「知る」ことから始め、情報を発信する力をもち、次には地域との意見交換が行なえるようになり、 十年後にはテーマの実現として、行政機関や地域の方々にさまざまな提言ができる力を持つところまでいきたいと考えています。

そういう取り組みを実現するための場を確保する意味合いもあるので、 「むかし倉敷ふれあい祭り」は継続して実施して行きたいと考えています。
この取り組みにより自分たちの活動を地域に開いていき、自分たちの活動を地域で恒常的に行えるようになれば、 地域と課題を共有し、一緒に政策的な提言をおこなうことも可能になってきます。
林野商店街というひとつの地区と長期的に関わりながら、さまざまな課題を具体的にどのようなかたちで 解決して行くかを実践的に考え、実行し、それを繰り返しながら、 生徒が自発的に課題の発見や解決のための提言を行なえる能力が養われます。
またこうしてMDPという活動自体が成長して行くにつれて、提言や課題解決の方法の レベルアップを行って行く事ができると考えています。

このように、地域に根ざし、課題・テーマを地域に絞ることに主眼を置いてふれあい祭りに取り組み始めたのが 平成二十二年からですが、この短い間にもレベルは徐々に上がってきていると感じています。
もちろん生徒の側も最初はレールに乗って何か活動をするというところからのスタートでしたし、 生徒には負担と感じる面もあるかもしれません。例えば地域と一緒に活動するということは、 生徒達の思いとは噛み合ない場面もあるかもしれません。
しかし、そのようなことも生徒達自身が課題としてクリアしていける力を身につけ、乗り越えていってくれると期待しています。

ただ、今後はふれあい祭りのかたちも変わって行くのかなと思っています。
現在はMDP活動の発表の場、学びの場として地域に参加させてもらっているところですが、 一方で、ふれあい祭りを始めたきっかけには地域の方々にも一緒に楽しんでもらう活動にしたいという思いがありました。
意識をMDP活動の成果を地域に開き、見せる、ということだけに置いていたのでは 自己満足に終わってしまうかもしれません。 生徒の思いと地域の方々の思いとが一致してひとつの祭りとして成立するような、そんな活動にしていきたいと考えています。

また地域の方からも、生徒がどのようなことを学んでいるかを知りたいと言うご意見もいただくなど、 関心を寄せていただいています。
地域の課題の発見と解決を主要テーマとしてからは、聞き取り調査など、 いわゆるフィールドワークも行なっており、地域の方々と触れ合う機会もできてきました。

少しずつ生徒と地域とが近くなっています。

そういったことを通じて、林野高校の存在、位置づけが、地域の中で変わっていくと思います。
生徒の反応としても、三年前の改変期には戸惑いもあったようですが、 現在では多くの生徒が地域の課題を発見していくというMDP活動の取り組み方針に関心を抱いています。
こうして自発的に地域の課題を発見し解決する方法を模索したという経験が、 将来生徒が進学し、あるいは就職して社会に出たときに、仮に他の地域に移り住んだとしても、 大きな意味をもってくると思います。長期目標を「美作創造」や「林野創造」ではなく、 「ふるさと創造」とした背景には、美作地域だけを対象とするのではなく、 そのように他地域に住むようになった時にも、その地域を「ふるさと」として、 その地域の課題を発見しその解決を図ることの出来る人材として育ってほしいという期待も込められています。

※MDP活動については林野高校公式サイト http://www.hayasino.okayama-c.ed.jp で詳しく紹介されています。

美作人インタビューリンク